入船東エステートに一歩足を踏み入れると、フッと空気が変わります。
大通りの喧騒が嘘のよう。団地を静寂に包むのは、緑の森です。
まだ風も冷たい2月。ひっそりと紅梅が目を覚まします。
松の緑以外、何の色もなかった和室の南庭園がほんのり明るくなります。
しばらくすると、洋室の前で河津桜が濃いピンクの花をつけます。
まるで春が来たよと言わんばかりの華やかさです。
すると…
その声が聞こえたかのように、様々な木々が一斉に開花の準備を始めます。
そして3月。
遊歩道の脇に並ぶのは白い雪柳、黄色のレンギョウ。
土佐水木も恥ずかしそうに薄い黄色の花をつけて仲間入りしています。
木蓮やコブシも、白い大きな花をつけて威張っています。
4月になれば、いよいよ桜の登場。
日本中、つぼみを数えて、その開花を待ちます。
入船東にもたくさんの桜が咲きます。満開の桜の下で、人々は大賑わいです。
そんな騒ぎを静かに見守る、プリン公園の大島桜。上品な緑の花です。
五月晴れの空に手を伸ばすのは、白とピンクのハナミズキ。
2.4号棟の横に開花します。
藤棚には藤の花房が風に揺れています。
団地を取り囲むように、生垣ツツジがはじけています。
灼熱の太陽が降り注ぐ夏。芙蓉が瀟洒な花を咲かせます。
逆境をものともせず、静かに微笑んでいるようです。
周りではセミの大合唱。朝早くから晩まで騒ぎ立てます。
虫の音が聞こえるようになると、そろそろ秋。
吹き抜ける風に赤と白の萩がゆれます
団地の入口にある大イチョウが黄金に輝き始め、ケヤキ、ユリノキ、サワグルミ、カツラ、桜も黄葉します。
そしてイロハモミジも…。
木の実は鳥たちのレストラン、柿のお店も開店します。
南天が実をつけ始めると、さあ冬支度です。
椿が赤い花のドレスを纏う頃、団地にも時折白い雪が降ります。
しんとした寒い朝、何方が何処へ行ったのか
…
うっすら積もった雪に、秘かな足跡。
木々たちは眠っています。
やがて、紅梅が目を覚まし…
入船東。四季の花、Endless Story。
さて、今日は、どの辺りを散歩しましょうか。